夫が倒れて復帰後の会社の対応に私は心底怒っていた。
ブラック上司だと思っていたけど、ブラック企業そのものだったんだと。
倒れた原因が明らかな過労ではなく原因が不明ながら病気に近かったので、企業を訴えるのは限りなく難しいらしいという事を知って、ますますこの怒りをどうする事もできず、友人に話しまくった。
みんな一様に呆れ、一緒に怒ってくれ、アメリカ育ちの友人なんかは『人事部に訴えれば良いのよ!』と段取り始めたので、こちらがなだめるというやり取りもあった。
でも。
夫が働くと言っている。
「こんな自分を雇ってくれた会社だから」「あんな上司でも自分を認めてくれているから」と謙虚な姿勢で新卒からずっと頑張ってきたのだから、そこに私がケチをつけてはいけない。
そのうちだんだんと、私が怒ることがそもそもお門違いなのかもしれないと思い始めて来た。悲しいまでの日本人気質。
気持ちを切り替えて、プロジェクトが終わり秋になったら家族で温泉でも行こうかと話していた矢先、ジャイアン部長がとんでもないことを言い出した。
「俺様の誕生日(12月)に俺様の還暦祝いを温泉でやろう」と。
還暦祝いは家族でやれ❗️❗️
しかも、会費が1人5万円。家族旅行にいけるわ!これ、暴れていいレベル、いや、訴えていいレベルですよね⁈
人生で1番くらいの度肝を抜かれた出来事だった。
還暦で定年退職するし。。。と部下が企画するならまだわかる。
でもまだ全然退職しないし、何故そこまでせなあかんの?自分企画なら金も払え❗️❗️
と家で私が暴れても丸腰夫になすすべはなく、家族旅行は立ち消えとなった。